あなたにピッタリの言語はきっと見つかる!言語習得のカギは「音」と「文法」
英語や第2外国語を履修しても、なかなか身に着かないと嘆いていませんか?「自分には言語の才能はない」と決めつけてはいませんか?日本では中学校入学時から英語が必須科目となり、英語が好きになる人と苦手意識を持つ2極に分かれる傾向にある。では、英語が苦手な人は一生英語が身に着かないのでしょうか?英語以外の言語はどうでしょうか?実は言語の習得は「脳」と密接な関係にあり、科学的に多言語学習の研究が進んでいます。
先日、東京大学の駒場キャンパスで行われた「語学教育改革」に関するセミナーへ参加しました。今現在、教育現場(特に英語)に携わる先生向けに、どのようにして外国語としての英語の習熟度を上げていけるか、EFの講師によるEFスタイルの模擬授業(Teaching English in English)や、言語と脳科学研究の第一人者、東京大学の酒井邦嘉教授の講演でした。中でも酒井先生のお話が非常に興味深かったので、講演の内容を少しお伝えします。
言語習得のカギは、音と文法
先生の研究によると、言語習得のカギは「音韻」と「文法」の2つをミックスしながら学習する事だそうです。
私たちは、「耳」から入る音の情報により、発音やスペリングを理解するのだそう。ことばの規則を「音」から聞き取るのがミソなんだそうです。単語とにらめっこしているだけでは、発音の予測はできませんからね。
単語を暗記する学習方法は、習得した気分にはなりますが、単語だけでは自然な文章は作れません。そこで「文法」が大切になります。文法も同様に、公式のように暗記をするだけでは身に着かないのだそうです。授業の中だけ、あるいはテストの為だけに文法を学んでも、実際の会話ではすぐに出てこないですよね。講演で酒井先生は「文法の法則の理由をしっかりと理解すれば、自然な文章を作ることができる」と仰っていました。
個性を無くす減点法ではなく、一芸に秀でる教育を
講演で印象に残ったのが、「外国語を学び始めるスタートはみんな一緒。そもそも、何も知らないところからスタートするのに、語学学習の成長過程を減点法で評価するのは疑問がある」という点です。誰しも、スタート時に英語がペラペラな人はいません。だからこそ、到達度で評価をすべきだということです。
もう1つ、先生の講演で印象に残ったのは、「言語は普遍的。誰もが言語を習得できる。英語が苦手だとしても、他の言語はすんなり身に着くことが往々にしてある。1つの言語が苦手でも、別の言語に触れる機会を持つべきだ」という点です。K-POP好きが高じて韓国語を学んだり、サッカーが好きでスペイン留学をしたり、「一芸に秀でる」個性を伸ばす教育が大切だと仰っていました。グローバル化=英語教育ではないという事ですね。
少し難しいお話でしたが、1つの言語が苦手だからと言って、すべてに共通するわけではない。という事がわかりましたね。英語以外の言語に興味を持った方は、ぜひ気になる言語のプログラムを見てみませんか?