伸び悩む日本の英語力は30〜40代の英語力が鍵!?
2015年11月11日に日本でも発表した世界最大の英語能力指数「EF EPI 2015」の結果では、過去5年間、日本の英語力は、ほぼ横ばいであり、伸び悩んでいることがわかりました。「英語が必要だ」また「どうしたら効率よく英語を習得できるか」といった言葉を聞くことが増えているのにもかかわらず、なぜこのような状況になっているのでしょうか?どうすれば、日本の英語力はもっと伸びるのでしょう…そこで、今回は「EF EPI 2015」のレポート内で取り上げた『日本国内の英語力』をもとに、今、日本が取り組むべきことについて考えてみたいと思います。
日本国内で最も英語力が高いのは「21〜25歳」
「EF EPI 2015」で発表した日本人の年齢層別英語能力を見てみると、女性の英語能力は21〜25歳層が最も高く、また男性の英語能力は18〜20歳層が最も高いとわかりました。また、年齢層が上がるにつれて、男女ともに英語能力が低くなる傾向があります。この結果から読み取れることは、日本全体の英語力を伸ばすためには、特に中間層(30代、40代層)の英語能力を強化しなければならないということです。
今の大学生や若手社会人層は、将来キャリアを伸ばす上で英語力が必要になると考え、30代、40代層よりも英語に触れる機会を意図的に増やす人も多い。ですが、現在の30代、40代層は、英語力がなくても、なんとかビジネスを進めることができた年齢層でもあるため、現状、英語に対する意識が低いのかもしれません。
しかし、現在では、そういうわけにはいけません。グローバル市場での成果が求められ、中堅層でも英語力を身に付けておく重要性が増しているからです。今後、さらに日本企業のグローバル化が進めば、中堅層にも高い英語力が求められるかもしれません。
英語力の地方格差!最下位は東北
都道府県別で英語力を比較すると、国内でも地域によって能力差があるとわかりました。
第1位は関東(EF EPIスコア 56.60)、続いて、第2位は関西(EF EPIスコア 55.06)、そして第3位は北海道、それ以降は、九州、中部、中国、東北(EF EPIスコア 51.74)という順になっています。
この結果からわかる通り、日本の英語力を底上げするためには、都心部だけでなく『地方』の英語能力を向上させる必要があります。そのためには何をすべきでしょうか。例えば、ここ数年で普及したオンライン英会話のような海外の英語教師といつでもトレーニングができるツールを学校や企業に導入する、南米のチリのように英語力の高いボランティアスタッフを教師として教育現場に巻き込むことも解決策になるかもしれません。
英語の指導者不足は工夫次第でいくらでも解決できます。日本の英語力の伸び悩みについて、一人一人が自覚を持つことが、早期解決へと繋がっていくでしょう。