リオデジャネイロ五輪(2016)の言語環境作り
2020年の東京五輪が決定して以降、訪日外国人観光客の数は増加傾向をたどっています。今までは、ジャパンブランドを買い求める近隣の中国や韓国といったアジア諸国の外国人が多く日本を訪れていましたが、最近では、欧米地域からの外国人観光客も増えているようです。 皆さんがよく見る普段の景色も国際色豊かに変わってきているのではないでしょうか?
一方で、外国人観光客が増えてくると、言語の違いという大きな壁を感じる場面も多くなります。そのため、2020年の東京五輪を成功させるために日本語以外の言語習得、特に「英語」の習得が重要視されると言われています。
そこで今回は、リオデジャネイロ五輪の公式言語トレーニング・サプライヤーであるEFが、現在、取り組んでいるリオデジャネイロ五輪の言語環境作りの一部をご紹介します。
リオ市内のタクシードライバーも英語トレーニング
国際大会が開催される都市で特に重要なのが競技会場や観光地への「交通手段」。お目当ての試合に間に合わない、なんてことは絶対に避けたいですよね。また、公共交通機関だけでは、世界中から集まる応援者を運ぶことはできないため「タクシー」が重要な存在になります。そこで、リオデジャネイロ五輪では、リオ市内の10,000人のタクシードライバーに対してオンラインの英語学習教材を提供しています。五輪を誘致するということは、大会運営者だけではなく「その都市に住む人や企業」の力が必要だということです。
リオ市内の高校生にも五輪を通じて英語学習を
外国人観光客と接する機会が多くなれば「もっと英語を勉強しなければ!」と学習意欲が上がるはず。リオデジャネイロ五輪の決定以降、リオ市内の高校生には、五輪に関する知識の提供とあわせて英語学習への取り組みも強化されています。例えば、タクシードライバーへオンライン学習教材を提供すると同じように、リオ市内の高校生たちにも無償で英語の学習教材が提供されています。そして、その高校生への取り組みは、リオデジャネイロ五輪以降も”継続的”に英語と向き合う環境になることが期待されています。五輪は若い世代の学習環境を整えるきっかけになるのかもしれません。
英語能力を適切に測ることが五輪成功の鍵!?
五輪といった大きな大会を成功させるためには、英語力の高いボランティアスタッフをどれだけ集められるか、そして大会が開催されるまでに、ボランティアスタッフの英語力をどこまで伸ばすことができるのかが鍵かもしれません。リオデジャネイロ五輪では、ボランティアスタッフの英語力を適切に測定するために EFSETと呼ばれるオンライン標準英語テストが導入されています。
EFSETは、ヨーロッパ共通言語参照枠と照らし合わせて英語能力を測定することができるため、受験者の英語能力を標準化することが可能です。また、英語能力を測定することで、どのレベルの英語学習を提供すればいいのか、どのポジションにだれを振り分ければいいのかも判断できます。英語学習と英語力を適切に測定することはセットで取り組まなければならないことかもしれません。